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邦題『変態性慾ノ心理』について

リヒャルト・フォン・クラフト=エビング男爵
(Richard Freiherr von Krafft-Ebing,1840-1902)
オーストリア・ハンガリー帝国の首都で法精神医学の専門家として、多くの裁判で犯罪者の精神鑑定に携わった。

『性的精神病理( Psychopathia Sexualis )』 
1886年(第1版)~1903年(第12版)

この本は、エビングの臨床経験を基に書かれた専門家向けの症例集(240件)を中核としている。
故に、高度に学術的なスタイルで著し、一般読者を遠ざけるため、本の名称も科学的な術語を慎重に選択している。
また本の章題を、同じ目的でラテン語で記し、本文でも、卑俗な言葉や、露骨と考えられる表現・描写や学術用語は、そこだけラテン語になっている。
教養のない読者を遠ざけるための一種の伏せ字である。
しかし、多くの読者が、これを性的興味の対象としたところに、現代に至るSMに関する誤解や偏見の原因があったといえる。

この本は、初版は110頁だが、12版では434頁で、大きく6章に分かれるが、具体的な病理としては、快楽殺人から象徴的行為に至るサディズム、サディズムの反義語としてのマゾヒズム(後の精神医学において、マゾヒズムはサディズムの反義語ではない)、フェティシズム、同性愛の四種類に分類される。
フェティシズムは第4版から、サディズムとマゾヒズムが本格的に扱われるのは第6版からである。

『色情狂編』 
日本法医学会/春陽堂 明治27(1894)年 明治政府により発禁処分
『変態性慾ノ心理』 
河出書房 大正2(1913)年

日本では、以上の邦題で翻訳出版されたことで、単なる性的興味の対象として扱われ、伊藤晴雨や江戸川乱歩などの作品に代表される変態ブームが起こり、それが精神疾患(特にサディズム=犯罪心理)であるという認識を希薄にし、むしろ、現在に至ってもなお、犯罪行為を正当化するものとして悪用され続けているのである。

監禁王子と呼ばれた男が法廷でサディズムについて論じたが、「自己の暴力(犯罪行為)の責任や原因を被害者や他のものに転嫁する犯罪者の心理」という意味で、この男は本当の意味でのサディストであるといえる。
ちなみに、この事件が話題になった頃、サディストを自称するSMマニアとして、この男の行為を擁護する者と否定する者とがいたが、サディズムを犯罪心理として否定する者はほとんどいなかったという点が問題だと感じている。
誰もが平気で「ドS」だとか「ドM」だとか言って、暴力を笑って見ている現状が恐ろしくてならない。

変態性欲ノ心理

2002年発行のこの本は、サディズム、マゾヒズム、フェティシズムに関する111例の症例を掲載。

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